設 立 趣 旨

高齢社会の到来は先進諸国に共通の状況であり、高齢者の介護をどのように支えるかは、国民にとって安心感の
ある暮らしができるか否かの重要な要素となっています。日本がその対応策として導入した介護保険制度は、シス
テム、運用の両面において多くの問題を抱えています。施行当初から予定されていた見直し時期も目前に迫りまし
たが、伝え聞こえる内容は福祉削減の施策は留まることなく、高齢者の不安感は募るばかりというのが実状です。
また高齢者介護問題解決のためにはサービスの量・質両面の確保が重要な課題となりますが、補助金の削減が介護
職員のパート化を進め、サービスの質の低下を招いているのが実態です。

また高齢化とともに進行している深刻な少子化は、国の存亡に関わる最重要な課題でもあります。女性が安心して働けるための子育て施策の充実も重要課題となっています。しかしながら現行の諸制度は障碍や年齢などによる壁が厚く、適用から洩れる人達を支えるために、地域や社会における柔軟な対応こそが求められています。私どもは誰もが地域の中で孤立することなく、世代間交流のある日常生活を送れるような支援をしていきたいと考えています。

当支えあう21世紀の会では、これらの課題を行政だけに任せることなく、国民的課題として多くの人々と共に考え 支えあうために、2003年4月より高齢者介護また同時に障碍者施策や子育て施策までを視野に入れたセミナーを開催してまいりました。また、セミナーの内容を会の広報誌“ささえあい”に掲載し多方面に発信すると共に寄せられる多くの相談に対応し、無償でサービスに繋げてもきました。

そこで、こうした活動を社会的により確かな基盤のもとで、さらに充実したものとして継続発展させるために、より多くの人々のご理解ご協力を得、より大きく、力強い発信をしてまいりたいと考え、このたび「特定非営利活動法人支えあう21世紀の会NPO Association of Mutually Support 21C.(AMS21)」として発足いたしました。幸い、当会には多くの医療・保健・福祉また法律・住宅分野の専門家が関わりをもっています。この会の専門性を発揮し、どんな状況にある人々の相談をもお受けし、支援し、障碍があっても、高齢になっても安心して暮らせる社会の構築に寄与したいと考えております。

これまでの社会は、こうした問題を特殊な閉ざされた世界の出来事として特別視し、“力の弱いものを排除する”という風潮がややもすると見受けられました。しかし戦争の世紀と言われる20世紀を東西の壁の崩壊という終結をみたにも関わらず、なお激しい敵対の続く世界情勢を考える時、力ずくでは解決できないこと、見失いかけている“優しさ”“Philanthropyこそが大切であることに、誰もが気付き始めているのではないでしょうか。人と人の支えあう心に満ちた地域・社会を創造するために、制度や行政の力だけではなく、一人一人が持てる力を発揮すること、殊に社会の多くを支えている民間企業の力に加わっていただくことこそ重要と考えます。私どものこの活動をご理解いただき、ご支援を賜ればこれに越した喜びはございません。 

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